はじめてサークルとしてコミケなどの同人誌即売会に参加する場合、何よりも手際の良さがカギとなります。
会場には何を持ち込めばいいの?さらなる準備物は必要?
このようにわからないことがいっぱいありすぎるという作家さんもいらっしゃるのではないでしょうか。
また、あわただしく時間が過ぎてしまい、来場者さんとのコミュニケーションはもちろん、ほかのサークルが出しているブースを見て回れなかった、ということにも。
せっかくの同じ趣味や志を持った人と交流できる機会なので、余裕をもって活動できるとよいですね。
この記事では、はじめて同人誌即売会で頒布をするという場合、どういったことをすべきなのかを紹介します。
頒布物を準備
「同人誌即売会」と言われているほどですので、頒布する商品がなければ始まりません。
同人誌即売会ではどのような頒布物を準備する必要があるのかを紹介します。
ただし、「あれもこれも売れる」というものではなく、いかに魅力的な商品なのか、SNSなどを通じて多くの人に応援してもらっているかにも左右されます。
はじめての出展参加の場合には、欲張らずに様子見をするというイメージで参加することをおすすめします。
同人誌
一番のメイン商品は、同人誌となるでしょう。
小説本やイラスト集、マンガなどジャンルを決めて作ります。
印刷のクオリティーによってもその価値は大きく変わります。
このところではデジタルデータで入稿しWEB上で印刷・製本できる印刷会社も増えています。
その分費用も割安で制作できるようになったので、美麗なイラスト集を作ることや、カップリング本など趣向を凝らした本を何冊か作ってみてはいかがでしょうか。
キャラクターグッズ
二次創作品の場合や、人気が確立したオリジナルキャラクターがいるという場合などにキャラクターグッズを製作する作家さんもみられます。
中には、アニメや漫画の世界観を表現した創作アクセサリーを頒布する人もいるようです。
制作単価も安価なバッグやアクリルスタンド、アクリルキーホルダーなどを製作して販売する傾向が多くなっています。
キャラクターグッズがあると、ブースも華やかになり、特におすすめです。
どのくらい準備すべき?
一番気になるのは、搬入の量をどうしたらいいかといった点ではないでしょうか。
売れるかもしれないから、と大量に印刷発注して手元に在庫を作ってしまったというのではもったいない話です。
初参戦でもフォロワーが多く、お絵かきサイトなどで販売していた経歴をもつ作家さんであれば、多めに準備してもよいかもしれませんが、まだそこまでの実力がないという場合は、小ロットからの印刷・頒布を検討することをおすすめします。
万一売り切れてしまっても、増刷後郵送するという方法をとるなど、いろいろな方法で頒布可能です。
デジタルデータがあれば、即増刷ができる点もメリットの一つと言えます。
頒布会場では、希少価値をアピールして完売を目指すこともよいですね。
自己紹介をかねて無料配布用のコピー本を作る作家さんも見られます。
家庭用プリンタで製本できるところもよいですね。
今後のフォロワー数獲得につながる可能性もあるので、多めに作っておくとよいでしょう。
同様の内容をSNSに掲示しておくことも一案です。
納期を逆算して入稿
作家さんの中には、イベントの参加決定通知を受けてから作品作りにとりかかる人も少なくありません。
同人誌即売会の会場を新作発表の場にするという作家さんも見られ、作品作りに追い込みをかけるという話は、何度か耳にしたことがあるのではないでしょうか。
同人誌の印刷には時間がかかります。
繁忙期(主にコミケ前など)には受発注業務も集中するため、オンライン受発注といっても最短納期には間に合わない可能性があります。
できる限り早めの入稿を心がけましょう。
また、同人誌専門の印刷会社さんは、同人誌即売会の日程を把握しており、そのイベントに納品を間に合わせるための最終締め切りを設けている場合があります。
納期をきちんと考えて入稿できるよう作品作りをすることが大切です。
いまさら聞けない「頒布(はんぷ)」とは
同人誌即売会では、ほとんどの作家さんが「販売」という言葉を使わず「頒布」と表現しています。
SNSなどを見ると、来場者さんのコメントで「もらってきました」などという表記もあるため混乱する人もいるようですね。
頒布は、販売と同じ意味です。
著作権法という法律に照らし合わせると、著作物の複製物(この場合は二次創作が当たるでしょう)を有償・無償にかかわらず譲渡または貸与する行為を「頒布」と定義しています。
また、お寺などで物販を行う場合に「販売」という言葉を使うと、「欲がある」とみられることもあるため「頒布」という言葉に置き換えることもあります。
作家さんの中にも「販売ではなく頒布という表現が好き」という人もいらっしゃるのではないでしょうか。
もちろん、同人誌即売会でいうところの頒布は「有償」であり、頒布代金を渡して品物をもらい受けるという方法ですので注意が必要です。
搬入準備
頒布する品物がそろったら会場までの搬入を準備しなければいけません。
遠方から参加する人などは「荷物が大変」という人もいらっしゃることでしょう。
車で搬入できない同人誌即売会もありますので、ほとんどの場合宅配便などを利用した搬入を行います。
同人誌即売会の運営会社ごとに搬入のルールを定めているので、申込時には搬入方法を確認しましょう。
また開催日までの運営からの公式SNSなどでも、運搬に関する約束事がアナウンスされる場合があります。
こういった理由から逐次確認することをおすすめします。
直接搬入とは
直接搬入とは、印刷業者に依頼した印刷物を業者から販売会会場へ直送してくれるサービスです。
ブースのアドレスを指示すると、当日サークルブースに納品されているという形態です。
受け取って会場へ持参するというワンクッションが省かれるだけではなく、入稿締めきりに数日間の猶予ができるメリットが生まれます。
同人誌即売会の運営側と提携している印刷業者に限られますが、地方から参加する人にとってはうれしいサービスになるはずです。
宅配搬入とは
宅配搬入とは、個人宅で受け取った印刷物をについて、個別に宅配便を利用し会場へ搬送するという行為をさしています。
直接搬入に対応していない業者に印刷を依頼した場合などは、宅配搬入を選択する必要があるでしょう。
会場はコンベンションホールなどを利用するため、宅配搬入を利用するときには運営の指示に従わなければいけません。
宅配搬入を受け付ける期間があること、運送会社が指定されていることなどを守る必要があります。
このような約束事はサークルチケットと呼ばれる参加票に記載されているので必ずチェックしてください。
印刷会社によっては、直接搬入サービスとはいかなくても同人誌即売会の会場あてに発送してくれるところもあります。
発送先が自宅と異なる場合、少々手続きが煩雑化する場合があるので注意しましょう。
会場到着日に注意
先にも触れましたが、会場はコンベンションルームであり、会場設営の時間も短いままに同人誌即売会を開催することがあります。
そのため、直接搬入・宅配搬入ともに到着日が指定されることがほとんどです。
宅配業者が指定されている場合は、仕向け便を同人誌即売会の会場のためにチャーターしていることを指しています。
指定された宅配業者を利用する場合は「受付期間内」にその宅配業者の営業所に差し出し受付してもらうことが必須となります。
これは、地方在住者にとっては安心できるシステムといえます。
指定宅配業者を利用しない場合は、「荷受け必着」と理解します。
必着と記載されている場合は、会場到着の日時指定を必須とします。
タイミングによっては必着日に到着できない可能性もあるため、発送日や仕向け先のエリア、到着予定日などを必ず確認してから発送しましょう。
また、着払いはNG。
元払いであらかじめ発送料金を支払っておきましょう。
自己搬入を行う場合
宅配便を使わずに、自分で荷物を搬入する人も見られます。
搬入日に間に合わなかったという場合がこれにあたるでしょう。
搬入時間などが決められているので、それに間に合うように持ち込む必要があります。
また、車で会場入りができない場合もありますし、近隣の駐車場に車を停めることを考えたときに駐車場料金も必要になります。
荷物が多ければ、公共交通機関での移動に支障をきたすこともあるので、計画的な搬入を心がけましょう。
準備したいディスプレイ什器
会場入りをしたら、ブースのディスプレイにも工夫が必要です。
また、一人でも多くのお客さんに目にとめてもらえるような準備が必要です。
準備しておくと便利なディスプレイ用の什器を紹介します。
テーブルクロス
ブースに割り当てられたテーブルにかけるための布です。
足元まで覆える大きさのものを準備しましょう。
テーブルの下に荷物を隠しておけますし、女性サークルさんの場合、盗撮などの被害を防ぐことにもつながります。
書見台
見本誌やイラスト色紙などをディスプレイするために準備をおすすめします。
皿立てなどを代用する人もいるようですね。
キッチンラック
100円ショップなどで購入できるキッチンラックはスタッキングができます。
高さを利用したディスプレイが可能です。
また、事務用品などを置くスペースとしても便利です。
コルクボード
画鋲やマスキングテープで留めるディスプレイができます。
また、缶バッジやキーホルダーなどを掛けるディスプレイも可能です。
準備したい事務用品
同人誌即売会では、お金の授受が必須になります。
また備忘録としてのメモ書きやお客様へのメッセージなどを記載する際に必要な事務用品を紹介します。
コインケースと計算機
これは忘れがちなアイテムです。
頒布の収益を入れておけるコインケースや複数のお品物の会計の際に計算機があると便利です。
お客さんに確認してもらえるような大き目ディスプレイの計算機を準備すると親切です。
仕切り付きポーチやケース
自分自身の貴重品を入れる場合や、受け取ったお札を入れるポーチがあると便利です。
ポーチは肌身離さず持ち歩けるものがおすすめです。
ケースなどにも売上の印として値札を入れて置けるほか、筆記具などを入れておくなど便利に使えます。
ペンやテープ、カッターなどの文具
筆記具は必須です。
マスキングテープやガムテープも持参しましょう。
カッターは宅配搬入の商品の開封に使えます。
また、イベント終了後の搬出作業の際にガムテープがなければ荷物の封ができません。
紙、用紙など
お客さんにリクエストを受けてイラストを描く場合や、さらなるブースアピールを行う場合に紙類は必要です。
売上のメモ書きをする際にも便利に使えます。
当日まで準備するディスプレイ品
什器以外にも、サークルらしさをアピールするためのディスプレイ品を準備することもよいでしょう。
サークルポスター
サークルの特色が一目でわかるようにサークルポスターを作ります。
メインの二次創作キャラや、カップリングなどをイラストで記載すると伝わりやすくなります。
B4サイズなどの少し大きめに作っておくとディスプレイしやすいですよ。
このほか、等身大パネルなどを作って持参するサークルもあるようです。
ただし、大きなサイズのものは持ち込みや展示を断れられる場合があるので注意しましょう。
お品書き
どんな品物を扱っているのか、いくらで頒布しているのかを伝える紙です。
現物よりもまず「価格が安いサークル」を目指すお客さんも見られます。
頒布価格と取り扱いアイテムを紹介できるよう工夫しましょう。
値札
同人誌などには添付しておくことをおすすめします。
お客さんに渡すときに値札を外すと売り上げ票として取り扱うこともできます。
いちいち確認する手間も省けるので、事前に値札を作り頒布する品物に貼っておくとよいでしょう。
当日まで準備すべきこと
当日、搬入する前や当日までに準備することを紹介します。
頒布物の確認と袋詰め
直接搬入の場合は難しいのですが、頒布物には乱丁や誤記が後から見つかる場合があります。
こういったことがないように事前に確認することをおすすめします。
また1冊ずつ袋詰めを行うと、そのままお客さんへ渡すことができますし、汚れを防げます。
それと同時に値札をつけておきましょう。
おつり銭の準備
500円、もしくは100円単位での簡単な価格設定をするとスマートです。
札での支払いにも対応できるよう、500円硬貨と100円硬貨を50枚程度準備しておきましょう。
両替は銀行で行えます。
コインケースなどに入れておくと出し入れがスムーズです。
売り子さんの手配
大きなイベントの場合、昼食がその場で取れない場合があります。
また少しでもブースを見て回りたいという気持ちもありますよね。
長丁場のイベントをサポートしてくれる売り子さんを募集することも一案です。
委託などを条件に引き受けてくれる作家さんもいるでしょう。
サークルチケットを事前に手渡すなどの工夫もしておきましょう。
イベント時に気持ちよく過ごすためのマナー
メディアでも取り上げられるほど、同人誌即売会は国内でも最大級のイベントです。
不特定多数の人が集まるので、自分とは考え方が異なる人も少なからず見られます。
お互いに気持ちよく過ごすためのマナーをピックアップして紹介します。
挨拶をしよう
お客さんはもちろんですが、近隣ブースのサークルさんにご挨拶は必須です。
名刺や自己紹介用のフリーペーパーを準備していたら持参して、挨拶をすると気持ちよく過ごせます。
ここで作家さん同士の交流が生まれることだってあるのです。
お客さんも時間勝負
お客さんも限られた時間とお金でブースを回っています。
地方から来ている来場者の中には、帰りの交通機関の時間を気にしながら買い物をしていることもあるかもしれません。
丁寧な対応は必要ですが、のんびりとした対応は同人誌即売会ではNG。
理不尽な理由でお客さんに怒られる可能性もあります。
ごみは逐一片付けよう
搬入時はもちろん、接客時にもごみは発生します。
後から片付けようという意識は、避けましょう。
気が付くと、隣のブースにごみが飛んでしまうほか、淘汰されてお客さんの通り道がゴミだらけになってしまうこともあります。
ゴミ袋を準備し、逐一片付けるようにしましょう。
すっきりしたブースだと接客もしやすくなりますし、お客さんからも好感を持って接してもらえます。
R指定商品は明確に
サークルの中では、R指定と呼ばれる成人向け作品を販売するところもあります。
R指定とはいかなくても、自主規制により成人向け指定をする作家さんも見られます。
こういった指定は明確に行うことは大切です。
表紙に所定のマークを入れることと、全年齢商品とは分けてディスプレイすることをおすすめします。
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