日本最大の同人誌イベント「コミックマーケット(通称コミケ)」は世界のサブカルチャーファンも注目するほど大きなイベントに成長しました。
同人誌や同人グッズの頒布を行うだけではなく、コスプレイヤーと呼ばれる二次元のキャラクターになりきる人も増え、コスプレイヤーを被写体としたロケーション撮影も人気を呼んでいます。
コミケの熱気を感じながら、自慢のカメラでコスプレイヤーを撮影してみたいという場合、いくつかの約束ごとを守る必要があります。
コミケのマナーや「暗黙のルール」ともいわれるローカルルールをここでおさらいしていきましょう。
カメコとは
一般的には「カメラ小僧」という言葉の略称です。
女の子がカメラを持ってコスプレ撮影をする場合の「カメ子」というような見方もありますが、こういった言葉の使われ方はごく少数。
カメラの機材や知識も少ないわりに、ローアングルや局所を狙って被写体を撮影しようする撮影者のことを指しています。
どちらかといえばコスプレや撮影に芸術性を持って挑む人ではなく、わいせつ性などを模索しながら撮影に挑む人の蔑称であるといえるでしょう。
コミケの世界では「カメコ」という言葉が定着していますが、本人に直接「カメコ」というと怒る人もいるので使わないようにしましょう。
コミケで撮影をする場合に必要なもの
コミケでコスプレイヤー撮影をする場合に必要なものは何でしょうか。
当日まで準備すべきものやそのほかのモラルを考えていきましょう。
カメラは必須
カメラはコスプレ撮影には必要不可欠です。
できれば一眼レフやミラーレスといった本格的な撮影用カメラをおすすめします。
費用がない、趣味で撮影したいという場合ならコンパクトカメラでも構いませんが、ほかの撮影者やコスプレイヤーに「塩対応」されることのほうが強いようです。
また、スマホのカメラを使った撮影は盗撮をしていると思われがちなので避けたほうが無難です。
リストバンド型参加証は必須
コミケの会場入りには、リストバンド型参加証と呼ばれる入場券が必要になります。
これを腕につけることで会場内を1日自由に出入り可能となります。
リストバンド型参加証は、当日購入もできますが、混雑しますので事前に購入することをおすすめします。
事前販売は全国のアニメイトなどのアニメグッズ専門店やとらのあな、メロンブックスといった同人誌を扱う専門書店などで販売されています。
これらの店が展開する通販でも購入可能です。
事前購入をすることで当日購入よりも割安で入場できます。
防災公園など直入りは考え物
リストバンド型参加証は、展示場への入場に必要とされています。
このことから防災公園などのコスプレエリアでは不要と考えることができるでしょう。
実際にコスプレエリアの撮影は公道に面しているため、直接入場できる状況にあります。
入場料を支払わずに撮影することをよく思わない人もいるのが現状です。
コスプレイヤーは参加証の購入と費用を支払ったうえでコスプレ登録を行っているからです。
リストバンドをつけていないという理由から、理不尽な扱いを受ける可能性もあるので、注意しましょう。
リストバンドをつけていれば、一般参加者として展示場内にいるコスプレイヤーの撮影もできますよ。
さらに違ったロケーションで撮影ができるのではないでしょうか。
初心者におすすめの撮影場所
コミケに何度か足を運んでいる人はもちろん、マップ・公式サイトを見ている人は、どこでコスプレ撮影ができるのか把握済みのことでしょう。
コミケではコスプレ登録を行うことにより、会場内どこでもコスプレや撮影が楽しめます。
ではどのような場所が初心者にお勧めの撮影場所なのでしょうか。
2Fエントランスプラザ
東京ビッグサイトは2階にエントランスがあります。
ここのオープンスペースでコスプレをすることができます。
被り物を中心としたコミカルなコスプレをする人が多く、目で見ても楽しめることが特徴的です。
「この風景を見るとわくわくする」という人もいるほどです。
ただし、エントランスですのでコスプレイヤーだけではなく一般参加者に出入りも多いエリアです。
初心者の場合、人混みにたじろぎ、近づけずに終わってしまうこともあるようです。
屋上展示場
西展示棟4階の屋上展示場は緑地帯が作られ、オアシスのような雰囲気があります。
コスプレエリアですのでほとんどがコスプレイヤーと撮影者だけといった風景が見られます。
ロケーションとしても最適で、広い風景を交えた迫力ある撮影がかなうでしょう。
屋上展示場は海風が吹きさらしになる場所です。
冬コミ、夏コミ問わず暑さや寒さとの闘いになります。
熱中症と防寒対策はきちんと行いましょう。
庭園
有明セントラルホールの道路向い、エントランスホールから階段を降りたところにある庭園も人気のコスプレエリアです。
木々が多いのでコスプレイヤーの衣装や被写体としてのコスプレイヤーが映える場所です。
途中一方通行になっている動線があるため、庭園に到着できないという人も時折見られますが、動線をチェックしながら行くとわかりやすいようですね。
ベテランカメラマンや人気コスプレイヤーが多いエリアでもあります。
防災公園~献血会場
国際展示場駅からがん研有明病院側にある防災公園は広く開放的な雰囲気でコスプレエリアがあります。
このエリアでは個人のコスプレイヤーだけではなく、各地から集まったコスプレイヤーが複数名の組み合わせで撮影に応じる「合わせ」が行われる場所としても知られています。
同名作品に登場するキャラクターが集まるので、楽しい構図で撮影が可能です。
人気コスプレイヤーは囲み撮影と呼ばれる撮影会を開くこともあるので、カメラマン対コスプレイヤーの構図を楽しむこともできるのではないでしょうか。
ゆるく撮影を楽しみたいという方はこちらで時間を過ごすことをおすすめします。
初心者だからこそ守るべきマナー
デジタルカメラ一台あれば、全世界に撮影画像を発信することができます。
その一枚の画像がコスプレイヤー自身を貶める行為になってしまう可能性があります。
撮影者自身も渦中の人になってしまう可能性や、撮影者を差し置き画像だけが独り歩きしてしまう可能性もあるのです。
コスプレイヤーに撮影OKか聞く
コスプレイヤーを撮影したい場合は、どんな場合でも撮影可能か質問しましょう。
中には単純にコスプレを楽しむ人もおり、撮影はNGとする人もいるからです。
このほか、休憩をとっている、化粧直しをしたいから今は避けてほしいという人もいるでしょう。
こういった相手の都合を考え、必ず「撮影OKか」という質問をすることが礼儀となっているようです。
もし、何らかの理由で「撮影NG」であれば、レンズを向けることは避けましょう。
相手が嫌がることをすれば、運営に通報されます。
囲み撮影の途中で撮影に参加するときでも、同様に「撮影お願いします」というような声掛けをしましょう。
囲み撮影や単独撮影かを確認する
気になるコスプレイヤーがポーズをとっている場合、周囲に撮影者がいることを確認します。
複数の撮影者がシャッターを切っている「囲み撮影」または、カメラマンが単独で撮影をしている「単独撮影」なのかを見極めます。
単独撮影をしている場合は、そのカメラマンが撮影を終えるまで待ちます。
もしかしたら単独撮影の順番待ちをしている人がいるかもしれないで、周囲を確認しましょう。
囲み撮影の場合は撮影途中から参加することで、ほかのカメラマンが構築してきた構図が崩れてしまうこともあるので、注意が必要です。
初心者カメラマンの場合、どうしても撮影のタイミングに入り込めない場合もありますが、チャンスはたくさんありますので、少しずつ雰囲気を楽しみながら慣れていきましょう。
お礼を必ず言うこと
「撮影終了しました」ということを告げる意味も込めて、撮影を終えたらお礼を必ず伝えましょう。
大きな声でコスプレイヤーに届くように伝えることをおすすめします。
コスプレは、オンとオフの切り替えが必要な立場にあり、いつまでポーズをとっていればよいのかわからない場合もあるからです。
ありがとうというようなお礼があれば、コスプレイヤーもほっと一息付けますし、次の撮影希望者に順番を譲ることもできます。
こうしたローカルルールがあることで、カメラマンもきれいな構図で撮影ができますし、コスプレイヤーも快く撮影を許可できるようです。
SNS掲載などは必ず許諾をとる
納得のいく撮影ができた場合、コミケに行ったことを報告するとともに撮影したコスプレイヤーの画像をSNSにアップすることもあるでしょう。
コスプレイヤー自身にも肖像権があるので、掲載に関する許諾は必須です。
コスプレイヤーの多くは撮影後に名刺を渡しています。
名刺記載の連絡先に画像を添えて許諾をとるとよいでしょう。
掲載時にはコスプレイヤーのハンドルネームとSNSアカウントを添えると、あなたのSNSからコスプレイヤーのもとへリンクをたどる人が増えます。
コスプレイヤーから修正された画像が届いた場合はこちらを使って掲載してください。
「お写真DMで」と書かれていたら
それぞれに画像許諾をとっていたら、コスプレイヤーも自分の生活時間が無くなってしまいます。
ベテランコスプレイヤーの多くは「お写真DMで」という合言葉を伝えているようです。
これはツイッターのダイレクトメール機能を使って画像を送ってほしいという意味が込められており、受付窓口がDMといった位置づけを果たしています。
コスプレイヤーは、被写体としての振る舞いや表情をチェックしてから使用の可否を出しています。
その返事をもらった後で掲載するようにしましょう。
相互フォローやリツイートがもらえる可能性もあります。
コスプレイヤーが嫌がるカメコとは
コスプレイヤーが嫌がるカメコの存在も否定できません。
自分が嫌がられる存在になってしまった場合、コスプレエリアで撮影を断られる可能性が生じます。
これからも気持ちよく撮影ができるよう、嫌がられる行為について考えていきましょう。
長時間撮影で拘束する
単独撮影をしているとき、コスプレイヤーを長時間拘束する行為は嫌がられます。
長くても5分程度にとどめましょう。
構図が決まらずまごつくことは、ポーズをとっているコスプレイヤーに失礼な行為といえます。
スピーディーにシャッターを切れるよう工夫していきましょう。
ポーズを強要する
「寝そべりポーズ」や「しゃがみ込みポーズ」などはコスプレイヤーが映えるポーズではありますが、衣装が乱れるなどの理由からコミケの場では嫌がるコスプレイヤーもみられます。
撮影側がポーズを強要することはコスプレイヤーにとって苦痛に感じることもあるので、無理強いすることは避けましょう。
振り返りや笑顔など、すぐ対応できるような簡単なポーズでお願いできるとよいですね。
個人情報を聞き出そうとする
「画像を渡したいからメールアドレス教えて」、「フラッシュメモリを郵送したいから住所と本名を教えて」という個人情報を聞き出す行為はNGです。
これは一般的に考えても常識の範囲を超えている行為といえるでしょう。
連絡先としてコスプレイヤーはSNSのアカウントを提示していることが多いので、こちらからコンタクトをとるようにしましょう。
スマホなどで撮影しようとする
コスプレイヤーだけではなく周囲のカメラマンも凍り付いてしまうのがスマホ撮影です。
気軽な気持ちで撮影して、SNSにアップする行為は盗撮とみなされることもあります。
スマホの望遠機能や画像解像度には限りがあるので、コスプレイヤーも嫌悪感を抱くようです。
スマホしかない場合は囲み撮影を控えましょう。
スマホで撮影したい場合は、バストアップなど近いアングルで撮影するようにし、撮影後はカメラロールを出し「やましい撮影はしていない」という事実をコスプレイヤーに確認してもらうとよいでしょう。
休憩中に撮影依頼する
コスプレイヤーもお昼ご飯を食べたい、冷えた体を温めたいというように休憩時間をとります。
上着を着用して移動している最中は、休憩中であるととらえましょう。
休憩はキャラクターになりきるために必要な時間でもあるので、その時は声をかけずにそっと見守るとよいでしょう。
コスプレイヤーの中には、次の登場する場所や時間をSNSで伝えてくれることもあるので、こういった情報をチェックしておくのも一案です。
たくさんの撮影で自信をつけよう
コスプレイヤーの撮影は、1度だけではなく何度も撮影に挑むことによって、魅力を引き出せる一枚が生まれます。
経験を積むことも大切ですので自信をもって撮影に挑んでください。
また、コミケとコスプレ撮影では、ローカルルールといわれる「公式には謳われていない暗黙のルール」も存在しています。
ルールを勉強し、コスプレイヤーだけではなく撮影者も安心して撮影できる環境を作りましょう。
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