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初心者が読む「初めてのコミケ」の心得・だれも教えてくれない暗黙の了解を知る

これから同人活動をしていきたいと考えている人や、とにかく同人作品が大好きで、推しキャラの作品は取りこぼさず手に入れたい、という人もいることでしょう。

こういったケースの場合、コミケなどの同人誌即売会に出かけることが一般的ですが、中には「初めてのコミケ」が良いものではなかった、怖かったという声が寄せられることもあるようです。

サブカルチャーということもあり、独特の雰囲気やローカルルール、暗黙のルールなども存在しているため、少しでもそれを逸脱してしまえば、一般参加者や運営から注意を受けることがあります。

また、会場の中で空気感が違う行動をしていると、アウェイ感を感じてしまうこともあるようです。

ここでは一般参加者デビュー(お客さん)としてコミケに参加する場合に気を付けたいことなどをまとめていきます。

これからコミケデビューを考えている人は必読です。

コミケとは

コミケとは、コミックマーケットの略語です。

こちらは日本でも最大規模の同人誌即売会のイベント名を指しており、全国各地でさまざまな同人誌即売会イベントが開催されています。

同人作家(アマチュア漫画家などを指す)による、二次創作もしくは一次創作(完全オリジナル)といったマンガや小説を頒布する場として成立しています。

同人誌即売会イベントは開催する運営会社が数社存在しており、趣向を凝らしたイベントが展開されています。

ちなみに、世界的にも大規模な同人誌即売会「コミケ」では、3日間の開催で延べ60万人もの人が来場する一大イベントにまで成長しています。

一般参加者とサークル参加

同人誌即売会の中では、「一般参加者」や「サークル参加」などといった用語が飛び交います。

ここではこれらの言葉の解説のほか、考え方に関してまとめました。

なかなか独特なコミュニティとも言えますが、その言葉の深さが40年余りも続く同人誌即売会を支えていることがうかがい知れます。

一般参加者とは

「同人誌即売会における一般参加者」とは、イベントに参加する側でもいわゆるお客さん側の立場にある人を指しています。

来場者や入場者といった呼び方をしてもよいのかもしれませんが、一般参加者の存在無きにして成立しないのが同人誌即売会です。

イベントを盛り上げる立場として参加しているという意識を持ってもらうためにも、お客さん側を「参加者」と位置付けています。

サークル参加者とは

一般参加者に相対する言葉で「サークル参加者」という呼び方があります。

こちらは、いわゆる「販売側」に立場にある参加者で、同人誌や同人グッズなどを頒布する人たちを指しています。

個人で活動している人でも団体として「サークル」と呼ぶことが多いのが特徴です。

同人誌即売会では、販売ではなく「頒布」という言葉を使っています。

こちらは、著作権法に絡む言葉遣いであり、「人数の規模や有償・無償問わず、著作物のコピーを公衆に譲渡や貸与する行為」という頒布という言葉の解釈を受けて呼ばれています。

サークル参加者も「販売」ではなく「頒布」という言葉を使っているので、間違わないようにしましょう。

事前にカタログを入手しよう

コミケはもちろんのこと、全国主要都市で行われる同人誌即売会ではカタログや公式パンフを販売しています。

特にコミケでは、このカタログを購入することで「参加証」を入手することになります。

もちろんカタログを入手せずとも当日参加証を購入することができますが、購入のための待ち時間というタイムロスを減らすためにも、カタログやパンフは事前入手のほうが適切です。

年を追うごとに規模が大きくなっていくイベントで、その開催形態も少しずつ形が変わっています。

その場へ行けば参加できるというイベントではなくなってきていることを念頭に置きましょう。

カタログの入手方法

カタログの事前入手方法は、同人誌即売会の運営公式サイトなどを参照するとよいでしょう。

コミケを例にとると、通販大手のamazonや大手書店、アニメイト、同人誌専門書店などで取扱いがあります。

当日のカタログ価格よりも書店価格は高額ですが、通しの参加証が添付されているためです。

首都圏で主に取り扱いが多く、地方在住者は事前入手が難しいといった点がありますが、amazonやアニメイト通販などを利用することができます。

カタログのリリースは公式サイトのSNSなどで発表されるので、逐次チェックをしていきましょう。

注意事項をチェック

規模が大きいコミケなどのカタログは、電話帳に近い厚みがあり情報量も多いのが特徴です。

初めてコミケに参加する人は、何度か繰り返しカタログを読んでみてその空気感をチェックしていきましょう。

その中で必ず読んでほしいのが「注意事項」です。

サークル参加者や一般参加者に向けたお願い事や簡単な決まり事などが記載されています。

コミケ自体、一般参加者とサークル参加者の自律と相互的な協力によって運営が続けられています。

難しいルールはありませんが、多くの人が往来するため危険を伴うことや、日常社会と世界が違うことに対する留意点なども記されています。

気負いする必要はありませんが「危ないこともあるんだな」というように覚えておくと、当日になって慌てることもないでしょう。

マンガレポートもチェックしよう

カタログの中には、サークルカットと呼ばれるサークル参加者の1コマコメントのほかに、「マンガレポート」と呼ばれる前回の同人誌即売会サークル参加者が、全体を通して気づいたことなどを1コマ漫画で表現するページもあります。

このレポートには、サークルとして気を付けたいことや一般参加者さんに気を付けてほしいことのほか、ライフハック要素があるアドバイスなども掲載されています。

初めて参加する一般参加者の場合「意味不明」だと思われる内容も見られますが、だんだん世界が広がっていくとマンガレポートも興味深く読めるようになるでしょう。

コミケの公式サイトをチェック

さまざまな理由により、カタログが入手できなかったという人も見られます。

コミケなどの公式サイトでも、注意事項や運営からのアナウンスが紹介されています。

中には運営側の見解や声明が掲載されていることもあるので、公式サイトもチェックしていきましょう。

カタログでチェックしたいこと

事前入手したカタログは「注意事項」や「お知らせ」をチェックするだけのものではありません。

ここからがカタログを事前入手する本当の理由といえます。

コミケのカタログは開催期間中すべての参加サークルの情報などが記載されています。

ページ数も多いため、電話帳などと揶揄されることもあるようです。

重量物に近い状態であるため、会場へ直接持参するのはリスキーです。

自宅でゆっくりチェックすることが一番です。

事前にチェックすべき事柄を紹介します。

お目当てのサークルの参加日

大好きな絵師さんがサークル出展する日にちをチェックしておくとよいでしょう。

3日間通しで参加するという人もいれば、1日だけ厳選して参加するという人も見られます。

カタログでは、1日ごとに出展する参加サークルを紹介しているので、付箋などを付けてチェックしておきましょう。

ここで、同人誌即売会を効率的に回るための準備もできるはずです。

スペースの番号

スペースの番号は、参加サークルさんが出展するブースの住所みたいな位置付けです。

マップを見ながらエリアを確認しましょう。

このスペース番号とマップの位置を照らし合わせることで、動線が確立します。

いくつか回りたいサークルを見つけたら、サークルめぐりの順番などを必ずチェックしておきましょう。

当日、迷ってしまうことで起こるタイムロスを防ぐための工夫です。

ジャンルもチェック

初めて同人誌即売会に参加する人の中には、お目当てのサークルではなく推しジャンルを目指す人もいるでしょう。

男性向けエリア(成人要素含む)、特定のアニメやゲームをカテゴリ化させているエリア、一次創作系など大まかなエリアわけがなされています。

これは一般参加者が効率よく回れるだけではなく、好まないジャンルとのすみわけを行うためです。

特に未成年者も参加するイベントですので、成人向け作品が堂々と展示されることがないよう、配置日も決められています。

自分の好むジャンルもチェックしておくと、いつ一般参加したらいいかなどある程度の予定も立てられます。

前日~当日に気を付けるべきこと

準備万端といっても、初めてのことは前日から緊張してしまうという人も見られます。

特に地方から都心へ出かけるという人などは特に緊張感やわくわく感も高まってくることでしょう。

同人誌即売会へ参加する際、前日や当日に気を付けるべきことをまとめました。

夏コミ(夏に行われるコミケ)では熱中症による体調不良で救急搬送された人も見られました。

はやる気持ちもわかりますが、自己管理ができていないと同人誌即売会は楽しめません。

サークル参加者のSNSを逐次チェック

サークル参加者は、自分のツイッターアカウントなどからお品書き(スペースで頒布する品一覧のこと)をツイートするほか、移動中の雑感や混雑情報などを随時ツイートしていることがあります。

お目当てのサークルがある場合は、アカウントをフォローしておくとタイミングよく頒布物をチェックできるようです。

スケブ依頼(スケッチブックにキャラクターを描いてもらうこと)をしたいと考えている人は、DMやリプライなどでスケブ対応に関して問い合わせておくことも一案です。

深夜や早朝の開場待ちはNG

同人誌即売会に参加するために、前日から会場近くに宿泊をするといった「前乗り」をするひとも見られます。

また、始発電車などで会場入りをする人もすくなくありません。

早く会場入りできると、入場制限に引っかかるリスクを避けられますし、売り切れが多い人気サークルの頒布に間に合わせることもできます。

こういった理由から、深夜から会場付近で野宿をすることや早朝から開場待ちをすることは禁じられています。

同人誌即売会というイベントの性質上、すべてが広く受け入れられているものではなく、深夜や早朝に集団化することは好ましくないという意見もあります。

開場時間は決められているので、その時間に合わせて会場入りできるとよいでしょう。

体力温存が大切

せっかくのコミケだから、終了までの一日を存分に過ごしたいという人も多くみられます。

特にコミケはイベント会場が広く、シャトルバスや徒歩での移動も少なくありません。

コスプレ会場も行きたい、ほかのジャンルも見に行きたいなどと欲張った結果、体調を崩してしまうこともあるでしょう。

休憩を適宜取りながら会場を回れるようにしましょう。

会場はどんなところでも人込みであるととらえましょう。

体力を温存すること、トイレは我慢しないこと、水分は定期的に補給することも大切です。

できるだけ昼以降の来場を

開場直後は多くの人でごった返しています。

おそらく同人誌即売会に限らず、どんなイベントでも開場直後の混雑は免れないでしょう。

落ち着いて会場を回りたい、人込みが苦手という人は、できるだけ昼以降の時間帯に参加することをおすすめします。

ゆっくりとした時間帯での参加の場合、お目当ての同人誌の頒布に間に合わない可能性はありますが、同人誌即売会の空気を楽しみたい、掘り出し物との出会いを楽しみにしたい、コスプレエリアは見ないという場合は十分です。

その時間帯になると、「離脱」と称して会場を後にする人も出てきますので、入場規制などに引っかかることも少ないようです。

同人誌即売会の服装は

初めて同人誌即売会に参加するという人の中には「服装に困る」という人も見られます。

会場は屋内ですが、「雲ができた、霧がかかった」というような都市伝説のような本当の話もあるほどです。

体調管理がしやすいように服装には気を使うべきでしょう。

ここでは季節に応じた服装を紹介します。

冬イベントの服装

冬のイベントの際には、防寒対策をしっかり行うことをおすすめします。

ダッフルコートなどの中にパッカブル仕様のダウンジャケットなどを着用するといったような工夫が必要です。

入場制限がかけられて会場の外で待ちが発生した場合などに寒さしのぎができます。

マフラーや手袋、カイロなども持参して寒さから体を守るようにしましょう。

ファッションよりも寒さ対策重視での参加が冬場の同人誌即売会には大切です。

夏イベントの服装

夏イベントでは、常に空調が稼働していますが、収容人数のほうが多いため会場が涼しく感じられないというのが常です。

ただし、エリアによっては空調が効いていると感じられるところもあるのだとか。

半袖と羽織ものを持参すると体温調節がしやすいようです。

女性の一般参加者の場合、暑さしのぎやファッション重視といった理由で、ショートパンツやミニスカートを着用する人も少なくありません。

残念ながら盗撮被害にあう可能性もありますので、できればジーンズなどの長ズボンをはくことをおすすめします。

中には、体を冷やすために濡れタオルを首に巻く人も見られます。

湿度を高め、会場を蒸し暑くする原因にもなるようです。

瞬間冷却材などを首に巻くなどの対応が、体感温度を下げるよい選択になることでしょう。

汗拭きシートは絶対持参

同人誌即売会で必ず話題に上るのは、ニオイです。

汗臭や体臭、トイレ臭など混とんとしてしまうことが指摘されています。

不特定多数が集まる場所ですので、ニオイが発生することは当たり前ですが、それを消臭スプレーやフレグランスでごまかすのはNGです。

夏場はもちろん、冬場でも汗拭きシートを持参し、汗をかいたら都度ふき取ることをおすすめします。

コンビニやドラッグストアで汗拭きシートは購入可能ですので、1~2パックを準備しておくとよいでしょう。

同人誌即売会の持ち物

同人誌即売会にはどのようなものを持っていくといいの?といった疑問を持つ方も少なくありません。

一般参加者は身軽になることは一般常識となっていますが、どこまで何を持っていくことが良いのかわからないという人もいることでしょう。

ここでは、あったほうが便利なものをいくつかピックアップして紹介します。

このほかにも必要なアイテムがあるかもしれませんが、必要最低限のものをまとめました。

財布

頒布品を購入するために必要不可欠です。

支払いがスムーズに進むよう、お金は千円札と硬貨に崩して準備しましょう。

お釣りが出ない支払い方法ができるとよいです。

財布はひとつだけではなく、2つに分けておくと安心でしょう。

1つは頒布品購入のための軍資金を入れておくためのもの、2つ目の財布には帰りの交通費や食費を入れておきましょう。

残念ながら、会場ではスリの被害も発生しています。

財布は身に着けて置き、スリの被害を防ぐようにしましょう。

ジッパー袋

一般的なレジ袋でも構いませんが、ジッパー袋をいくつか持参しておくと便利です。

ゴミ袋として使えるほか、使わないカイロを密封しておけるなどいろいろな使い道ができます。

大き目のジッパー袋は、濡れた雨合羽を入れるのに便利ですし、同人誌の傷防止のために保護袋としても使えます。

マイバッグ

購入した同人誌や同人グッズは手に持ち歩いていると、邪魔になってしまいます。

いらぬ誤解を生まないためにも、迎え入れた品物はバッグに入れて両手を開けておきましょう。

マイバッグは折り畳みができるものだと便利です。

何冊も購入する場合は大き目のものを準備しておくとよいでしょう。

雨合羽

100円ショップなどで販売している雨合羽を1つ準備しておきましょう。

入場制限を受けたとき、外が雨だった場合などに重宝します。

冬場も寒さしのぎによいアイテムです。

また、100円カッパは不要になった場合に処分しやすいところも都合がよいです。

待ち時間は傘が使えない場合も多いので、カッパを着用して一人でも多くの人が並べるようにすることも心づかいのひとつです。

タオルや手ぬぐい

汗を拭く、帽子の代わりにかぶる、日よけに首にかける、寒さしのぎに肩にかけるなどいろいろな使い方ができるのがタオルや手ぬぐいです。

特に夏コミでは炎天下の一日が予想されます。

熱中症で倒れてしまうことをタオルや手ぬぐいが防いでくれることもあります。

特にうなじが熱に当たると体力がすぐに奪われてしまいます。

タオルを首にかけているだけでも直射日光を防げますので、熱中症はもちろん日焼けで悩むこともなくなります。

コスプレスペースでの注意点

コミケなどの同人誌即売会の醍醐味のひとつに「コスプレイヤーさん見学」もあります。

撮影ができるチャンスもあるので、推しキャラクターに扮装しているコスプレイヤーの情報をキャッチしたら見に行きたいと思えるのではないでしょうか。

同人誌即売会の運営ごとに見解は異なりますが、コスプレイヤーの見学や撮影の際には注意したいことがあります。

お互いに気持ちよく撮影するためにもいくつかのルールを覚えておきましょう。

撮影許可エリアだけで撮影しよう

コミケの場合、会場内であればどの場所でもコスプレ撮影を可能としていますが、ほかの同人誌即売会では撮影許可エリアでのみの撮影としていることもあります。

また、被写体となるコスプレイヤーにも肖像権がありますので、撮影許可エリアが設定されている場合は場所を守るようにしましょう。

また、移動中や休憩中だとわかるコスプレイヤーは、撮影NGだととらえましょう。

挨拶を忘れずに

撮影を始めるときや終えるときに、挨拶を忘れないようにしましょう。

「撮影お願いします」と「ありがとうございました」は誰もが行っています。

これはコスプレイヤーに撮影していることを知らせるための掛け声でもあるため、必ず声がけをしましょう。

撮影前にレイヤーさんのボードを確認しよう

撮影を始める前に、コスプレイヤーの近くにハンドルネームなどが記載されたボードが置いてあることがほとんどです。

まずはボードを確認しどんなコスプレを行っているかなどをチェックしてください。

コスプレイヤー独自のお願い事などが記載されています。

撮影を行った後、SNSやブログにアップしたい場合はコスプレイヤーに承諾を得ることが一般的です。

承諾に関するお願い事も記載されているので必ず確認してください。

ローアングルや高所からの撮影禁止

ダイナミックかつ臨場感がある撮影をしたいという場合、ローアングルからの撮影や高いところからの望遠撮影などが考えられますが、これらの撮影方法はマナー違反です。

会場などで脚立の利用や木に登ったりすることもいけません。

また、三脚の使用は運営側の見解が異なるので、公式サイトの情報をチェックするとよいでしょう。

このほか、接写なども避けたいところです。

多くの愛好者が撮影を行っているので、マナーを守って撮影することが大切です。

「お写真DMで」とは

コスプレイヤーの近くに掲示されてあるボードや、SNSのプロフィールなどに「お写真DMで」などと記載されていることがあります。

これは、撮影者のSNSアカウントに載せる前に画像をいったん検閲させてほしいという気持ちがあるようです。

恥ずかしいアングルで撮影されていないか、気の抜けた表情をしていないかというような、コスプレイヤー自身の振る舞いチェックもありますが、よりキャラクターに近づいているか世界観を寄せたいという見解もみられます。

コスプレイヤーの中には、DMで寄せられた画像を修正したものを返送して「こちらを使ってほしい」と依頼することもあるようです。

コスプレイヤーから返送された画像を使うことも守りましょう。

コミケデビューが楽しいものになるように!

コミケデビューで嫌な思いや怖い思いをする人も少なからず見られます。

ただ、だれもがイベントを盛り上げるためにいろいろな努力を重ねています。

大規模イベントから、地方で開催されるイベントまでいろいろな同人誌即売会に参加して楽しさを見出していきましょう。

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