【最終納期】コミケ締切に追われる同人作家がチェックすべき印刷所のポイント【価格】

同人活動をしている人のSNSを見ていると「締切に追われてテンパっています」という表現や、「納期に間に合えば新作出します」といった予告を見かけることがあるでしょう。

月間漫画雑誌などに商業連載する漫画家であれば「締切や納期」という言葉の多用は理解できる部分があるのですが、同人活動に関するこの表現はどんな意味を指しているのでしょうか。

また、サークルにとって印刷所選びと印刷価格の組み合わせは死活問題に直結します。

同人作家が選びやすい印刷所はどこか、頒布価格の設定に余裕が生まれる印刷代金の見積り方に関しても解説します。

同人活動の「納期・締切」とは

同人活動における「納期や締切」は、コミケなどの同人誌即売会に間に合わせるために印刷所に入稿すべき日程を指しています。

印刷所では印刷・製本作業が行われます。

受注(入稿)から依頼者に向けて発送するまでの時間が必要です。

このほか発送から手元に同人誌が到着するまで1日~3日ほどの時間がかかるため、それらを逆算して納期や締切を検討しなければいけません。

印刷所によって「締切」が設定されている

印刷所によって、納品希望日に対する締切日(入稿日)が決まっています。

印刷所の規模によっても印刷できるキャパシティーが決まっており、受付順に印刷を行っています。

殺到した場合は受付を終了する場合もあるので、早い段階での入稿が肝要です。

印刷所によっては「コミケに間に合うための入稿日」を定めており、指定日時までの入稿受付が完了すれば、コミケに間に合うよう印刷をすることを確約しているところもあります。

印刷所を選ぶ場合は、「同人誌即売会に間に合うよう納品してもらえるか」といったところも考慮に入れる必要があります。

印刷所の納品日はどれくらい?

一般的な印刷所では印刷・製本には5~7日かかります。

急ぎで印刷してほしいという場合は別途割増料金がかかることがあります。

早期入稿ができれば納期には時間がかかりますが、その分印刷料金に早期割引が適用されることもあるので、少しでもお得に製本をしたい場合は早めの締切を心掛けるべきでしょう。

また、印刷所から依頼者のもとへ発送する日を納品日としているところと、依頼者が希望する到着日を納品日としているところもがあります。

印刷所の所在地と依頼者が納品先として指定している所在地の距離によっては、翌日配送ができない場合もあります。

こういったことを踏まえて、「納品日」に対する印刷所の解釈は必ず確認しましょう。

到着日の期日指定はマスト

印刷所に入稿する際には、受け取りミスを防ぐために必ず到着日の期日指定を行いましょう。

これを行うことで、不在通知による再配達依頼というタイムロスを防ぐことができます。

また印刷所でも、「到着日ベースでの印刷の可否」を検討することもできるため「頒布用の本が届かず間に合わない」という問題も避けられます。

また、問い合わせ番号は必ずチェックしておきましょう。

自宅到着が間に合わないという時でも積荷中継所や営業所へ先回りして荷物を受け取れる可能性が生まれます。

同人誌の印刷方法について

同人誌の印刷方法を選ぶことで、トータルの印刷費用が大きく変わります。

また印刷にかかる日数も大幅に抑えられるメリットがありますので、ぎりぎりまで作品作りに時間をかけたいという人や、時間に余裕ができたのでもう一冊新刊が出せそうという場合に検討することができます。

もちろん、頒布価格にもかかわることですので、同人誌の印刷方法に関しては必ず理解し選択するようにしましょう。

オフセット印刷

オフセット印刷は、印刷原本(版下)を作成したうえで紙に転写する印刷方法です。

同人誌を含むかつての印刷物のほとんどはこのオフセット印刷でした。

顔料油性インクを用いた印刷法で、水にぬれてもインクがにじまないのが特徴です。

版下を作る必要があるため、小ロットでの印刷は割高になりますが、部数が多くなるほど単価が安くなります。

フルカラーのイラスト系同人誌や、1000部単位で頒布したいフライヤー印刷などにおすすめです。

ただしオフセット印刷の場合、版下作成の時間が必要です。

その分納期に時間を要します。

もちろんページ数が多いほど納期に時間がかかりますので、注意が必要です。

オンデマンド印刷

オンデマンド印刷は、パソコンなどで作られたデジタルデータをプリンタに転送し印刷するシステムです。

レーザープリンターによる高速印刷がかなうので、製本や納品までの時間がわずかで済みます。

オンデマンド印刷は、小ロットの印刷や同人誌のような「種類が多い印刷物」に適しています。

小説本などはオンデマンド印刷がおすすめです。

デジタルデータ入稿のマンガなども再現度は高いことが特徴です。

ただし、オンデマンド印刷の場合、4色のインクトナーの融合によって色合いを表現するため、微妙な色合いの表現が苦手です。

ベタやグラデーション表現でムラができやすいデメリットがあります。

また、オンデマンド印刷と相性が悪い紙材もあるので注意が必要です。

オンデマンドの場合は、フルカラー印刷ではなく2色印刷など単色系で製本したいときに向いているといえるでしょう。

オフセットとオンデマンドどちらを選ぶのがよい?

自分を最大限に表現できる場である同人誌。

一人でも多くの人に手に取ってほしい、できれば保存してもらえると嬉しいと思える出来栄えの作品もあるでしょう。

どういったときにオフセットとオンデマンド印刷を選ぶとよいのでしょうか。

フルカラー印刷ならオフセット

イラスト集のようなオールフルカラー印刷であれば、オフセット印刷がおすすめです。

微妙な色合いの表現や、ベタ、網掛けといった表現もきれいに再現されます。

用紙を選ばず印刷できるため、同人作家のこだわりをすべて注ぎ込んだ、美麗装丁もかないます。

長期保存にも耐えられる印刷方法ですので、保存版としてほしい同人誌にはぜひオフセット印刷を選んでください。

また、製本の方法との兼ね合いも大切です。

ペラ本や中綴じ本にオフセット印刷はもったいないと感じる人もいるようです。

高品質を目指すならオフセット

オフセット印刷の場合、インクが紙にしみこみます。

そのため、品がある仕上がりが期待できます。

印刷が原因で起こる色にじみや線のカスレも少なく、品質の高い同人誌が作成できます。

オンデマンドの場合、トナーを熱で蒸着する方式で印刷するため、どうしても用紙にインクが乗っているというような印象が否めません。

また、時間をかけていないというような粗雑さや、チープなイメージも残ってしまいます。

オンデマンド特有の「テカテカした印刷面が苦手」という人なら、オフセット印刷がおすすめです。

商業誌のように販売されているようなクオリティが目指せるのもオフセット印刷ならではです。

小ロット印刷ならオンデマンド

オンデマンド印刷の場合、データがあれば1冊からでも印刷可能です。

同人誌の場合、コミケなどに持参する冊数はサークルの規模によっても変わりますが、10冊~100冊程度になるでしょう。

小ロットの印刷であればオンデマンド印刷が便利です。

また、二色刷りなど単色印刷を検討するならオンデマンドで十分でしょう。

一方でオフセット印刷は版下作成に代金がかかりますので、制作部数が多い場合には有利です。

しかし、在庫を抱える可能性も考えられます。

費用軽減や、売れることを見越してオフセット印刷で同人誌を多量に制作するのは相応の覚悟が必要になるでしょう。

納期を優先したいならオンデマンド

オンデマンド印刷の場合、インターネット経由でデジタル入稿ができれば、即印刷に入れるメリットがあります。

印刷もハイスピードですので、短期間の納期が可能です。

コミケ当日に新作をもう一冊出したいという場合や、入稿ぎりぎりまで原稿にこだわりたいという場合にはオンデマンド印刷を選んだほうがよいでしょう。

オンデマンドを利用する場合はデータ入稿を推奨している印刷所が増えています。

安価な製作費を優先したいならオンデマンド

同人作家なら頒布価格を少しでも抑えて、一人でも多くの方に頒布したいという気持ちで製作するのではないでしょうか。

利益は最低限にとどめ、制作費分だけを頒布代金としていただくというような形をとっている同人作家がほとんどでしょう。

こういった理由からも安価な製作費を追求することも大切です。

印刷所へは料金一括前払いとなる場合が多いので、頒布代金を支払いに充てることができない場合もあります。

出費の面がネックとなるならば、オンデマンド印刷で安価に済ませることがよいでしょう。

同人誌の印刷所の選び方

今では、同人誌を専門に取り扱う印刷所が増えています。

多彩な特徴を掲げる印刷所が多く、どんな印刷所を選べばよいのか迷ってしまう人もいるのではないでしょうか。

よい点を掲げる印刷所が多いので、優先すべき事項がわかりにくいという人も見られます。

印刷所の選び方のポイントは次の通りです。

料金プランを提示してくれる

「パックプラン」などというように、ページ数と印刷部数に応じた料金プランを提示してくれる会社は、自分でも見積の概算をつかみやすく便利です。

オンデマンド印刷の会社に料金プランを提示する会社が多くみられます。

事前に料金プランを提示してもらえれば、初めて同人誌を頒布しようと計画している人でも「どのくらいの費用が必要になるのか」「どんなボリュームの本を作ればよいのか」といったところが見えてくるはずです。

加工方法の種類が豊富か

箔押し加工にしてほしい、遊び紙を入れてほしい、トレーシングペーパーに印刷をしてほしいというように、同人誌といっても装丁にこだわりたいという作家も見られます。

こういった、表現の方法に対し柔軟に対応してくれる印刷所があると心強いですね。

印刷の方法を問わず同人誌自体のグレードが格段にアップします。

もちろん加工オプションを選択することで、印刷代金は高くなりますが、それでも手に取ってくれる人は増えるはずです。

レア度も増すので、推しキャラのフルカラーイラスト本などを作る場合は加工にもこだわってみましょう。

入稿形式が豊富か

かつてのようにケント紙や漫画専用用紙に墨書きし、トーンを貼ってというようなアナログな原稿作成をする人も減っています。

このところではパソコンで作画を行い、編集ソフトなどを使って効果を入れるといったデジタル原稿を作成する人も増えています。

こういったデジタル原稿は使っているソフトが異なれば印刷所が受け入れられないというトラブルも発生します。

どんな形式のファイルでも受け入れ可能の印刷所であれば安心ではないでしょうか。

コミックスタジオプロといった古いマンガ制作ソフトや、小説原稿に多いPDF原稿やWORDでの入稿ができる印刷所であれば、パソコンに慣れていない人でもデジタル入稿を検討できるのではないでしょうか。

同人誌即売会に対応しているか

コミケと提携しており、スペース配置日に直接搬入可能としている印刷所も見られます。

直接搬入とは、印刷所から直接コミケ会場へ送付し、指定スペースへ配送してくれるサービスです。

直接搬入ができれば、締め切りまでの余裕が1日から2日ほど生まれます。

また、遠方からサークル参加する場合、重たい同人誌を持参する必要もありません。

会場入りすれば、スペースに同人誌が納品されているのでそのまま販売できるメリットがあります。

コミケや同人即売会の運営と提携している印刷所であるかどうかをチェックすることは、始めに行いましょう。

早割プランがあるか

原稿を早く入稿できれば割引料金が適用されるといった「早割プラン」があれば、余裕をもって原稿作成に取り組むことができます。

コミケが近くなると印刷所探しも難しくなってしまう場合があるうえ、割増料金が適用される可能性もあります。

早期入稿で印刷代金を安くしてもらえるのであれば、同人作家としても余裕を持った原稿作成に臨めるのではないでしょうか。

支払い方法が選択可能か

一般的な印刷所では、「申し込み→入金→入稿→契約成立」といった流れが主です。

前払い制で印刷が始まることがほとんどです。

大手の印刷所では郵便振込用紙が届く後払い制やクレジットカード決済ができるところも存在しています。

このように幅の広い支払い方法が選択できると入金予定などを検討しながら同人誌制作を検討できるでしょう。

リピート活用できそうか

これからも同人活動を続けていきたいという場合、イチから手探りで印刷所探しをすることは避けたいものです。

対応が悪かったからこの印刷所には頼みたくない、コミケの配置日に対する入稿締め切りがタイトだから、次の依頼は考えたいというようなマイナス面を作ることはよいことではありません。

入稿申し込みをする前にリピート活用ができる印刷所であるかどうか、SNSの情報なども元に検討してみてはいかがでしょうか。

同人誌印刷一括見積サイトがおすすめ

「印刷所の選び方」はある程度分かっていても、やはり決めてとなるのは「値段の安さ」や「サービスの豊富さ」になるはずです。

どんな同人作家でも「原稿作成にウェイトを置きたい」と思うことで、印刷所探しに労力を割いてしまうことは避けたいはずです。

サークルとしての条件に合致した印刷所を効率よく見つけたい場合は、「同人誌印刷一括見積サイト」を利用することをおすすめしています。

同人誌印刷一括見積サイトとは

ページ数、印刷方法、あそび紙などのオプション有無などを入力するだけで、おすすめできる同人誌専門印刷所をリストアップしてくれるサイトです。

条件に合致する複数の印刷所を紹介してくれるので、その中からさらにサークルとして依頼したい印刷所が見つかりやすくなります。

比較検討できる

提携している印刷所のプランなどを一括提示してくれるので、価格やプランの内容などを比較検討することができます。

サービス面はもちろん、印刷費用の安さを重視したい場合は必ずチェックしましょう。

納期や入稿期日をチェックできる

印刷プランや、入稿形式によってもぎりぎりの入稿締切時間が異なります。

印刷所のキャパシティーによっても異なりますので、気になった印刷所の納期なども比較検討対象として検討できるでしょう。

希望する加工に対応できる印刷所が見つかる

フルカラーページとトレーシングペーパーの組み合わせでおしゃれな同人誌を作りたい、あそび紙にも工夫をプラスしたいという同人作家の希望に対応してくれる印刷所探しが簡単にできます。

人気のサークルが頒布するような、かわいい本を作りたいという同人作家にはおすすめです。

最小印刷部数を検討可能

とある印刷所では最低ロットが100部から、一方他印刷所では1部から印刷可能というように最小印刷部数に幅があります。

サークルの規模によって、印刷部数の決定は今後の活動にも大きく左右されます。

サークルの活動に見合った印刷数を踏まえた印刷所の決定にもつながります。

低価格で高品質な印刷所を検討できる

一番のかなめは「低価格かつ高品質な印刷所」を探したいというところでしょう。

大手の印刷所の情報を一括で仕入れることができるほか、コミケに参加する多くのサークル主が利用する印刷所の名前を見つけることができるので、おのずと「どういった印刷所がお得で、きれいな同人誌を作れるか」といったところが浮かび上がってくるはずです。

同人誌印刷一括見積サイトでチェックしたいこと

同人誌印刷一括見積サイトが複数存在していますが、中には「サイトの利益を優先するあまり印刷所やサイト利用者(同人作家)の利益を無視している」と思われるサイトも存在しています。

同人誌印刷一括見積サイトを利用する場合にチェックしたいことも確認しましょう。

提携している印刷所はどんなところか

一括見積サイトと提携している印刷所が必ず存在します。

提携サイトから条件が合致する印刷所を比較情報とともに紹介する体裁がとられています。

このため提携数が少なすぎるサイトは除外すべきでしょう。

10社以上20社程度の提携数で紹介しているサイトであれば、比較対象の母数が増えるので絞り込みしやすくなります。

また、コミケなどのイベントに直接搬入可能な大手印刷所が提携先として入っているかどうかもチェックしたいところです。

小さな印刷所との比較をしながら、自分にとってより良い印刷所選びがしやすくなります。

サイトの作りは丁寧か

比較検討を行う側としては、サイト自体の見やすさや使いやすさを優先したいところです。

コンテンツを移るごとに広告がたくさん出てくるほか、自分には関係のないサイトに誘導されてしまうような一括見積サイトは信頼できません。

印刷所を丁寧に紹介しているサイト作りがなされているか、同人作家に対する情報が満載のサイト作りがなされているかといった部分も見ていきましょう。

また、特定の印刷所だけを推挙するというような、偏った紹介をするサイトも注意深く見ていく必要があるでしょう。

個人情報の管理は抜群か

一括見積サイトから情報を得たい場合に、簡単な個人情報を入力する場合があります。

こういったときに、暗号化送信をしてくれるといった個人情報の管理が万全かどうかといったところもチェックしたいところです。

そのほか同人誌印刷所が行っているサービス

同人誌専門の印刷所を探す場合、同人誌印刷サービス以外の部分も検討すべきです。

今後の同人活動の幅を広げるためにも、ぜひチェックしてほしい項目を紹介します。

同人グッズ作成サービス

カレンダーやマグカップ、Tシャツなどの、同人グッズ作成サービスがある印刷所であれば、同人グッズの頒布を検討することも可能です。

同人グッズの製作は「公式の模倣に近い海賊版」になってしまう可能性があるので、デザインには細心の注意が必要ですが、世界観をイメージしたグッズなどがあれば、同人誌とセットで購入してくれる人が増えるでしょう。

フォトショップなどのパソコンソフトが使えれば、アクリルキーホルダーやアクリルスタンドなど売れ筋の同人グッズも簡単に発注可能です。

1個から製作可能という印刷会社もありますので、同人誌の印刷とともにいくつか同人グッズを作ってみてはいかがでしょうか。

もちろん自宅で使うものを「痛化」するために依頼することもよいですね。

在庫処分サービス

あまり考えたくないことですが、同人誌の在庫を抱えてしまい、処分に困ることがあるはずです。

メロンブックスなどの同人誌専門店に委託販売することもできますが、時事ネタなどの要素が強いと委託も難しい場合があります。

一般的には廃品回収に出すことがよいのですが、二次創作の同人誌は第三者の目に触れないように処分することがマナーです。

成人向けの作品であればなおのことですね。

処分費用が掛かりますが処分を請負い、リサイクルに出してくれる印刷所もあります。

こういった処分サービスをプラスしている印刷所に同人誌制作を依頼することも一案です。

お得に同人誌作成を検討しよう

同人誌を専門に取り扱う印刷所は全国各地にたくさんあります。

同人作家が住む地域と印刷所の距離などでも依頼すべき印刷所が変わりますし、頒布イベントと印刷所との組み合わせを考慮することも大切になります。

費用面だけを考慮しても、搬送に多くの費用が掛かってしまった、納期に間に合わなかったということでは本末転倒です。

本当にお得な印刷所はどこか、地方に住む同人作家にとって、コミケに強い印刷所はどこかといった点も検討していきましょう。

同人誌印刷一括見積サイトを利用することも一案ですね。

工夫を行うことで、依頼すべき印刷所が浮き彫りになってきます。