二次創作とファンアートは違うもの?どんな違いがあるの?使い分けと定義について

ネットの普及で著作権に関するリテラシーが上昇しつつあります。

しかし同時に、「アニメや漫画のキャラクターの絵を描きたいけどこれって違法?」「これはファンアートだからセーフ?」「グレーゾーンって本当?」といった疑問を誰しも抱く機会が増え、その正しい答えが見つけ難くもなっています。

ふわふわとした認識になりがちな二次創作、ファンアートについて見つめ直してみましょう。

二次創作について

大前提として二次創作は違法です。

著作権のある作品をその作者の許可なく改変する事は、翻案権、同一性保持権の侵害となります。

しかしそれが厳格に取り締まられていないのは、こうした著作権侵害は親告罪である為です。

一概に違法とは言えない理由

親告罪である為に、著作権を持つ作者が訴えない限りは罪に問われません。

作者側もファンによる二次創作は、作品愛が高じての活動を「ファン活動である」という認識があります。

故に「黙認されている」のが現状です。

違法ではあるがグレーゾーン、という理屈はここに由来しています。

作品の作者によっては「二次創作OK」と明言している事や、公式サイトで二次創作に関するガイドラインを掲示し、「ガイドラインに従っていればOK」としている事もあります。

たまに目にする「ファンアート」って?

ではファンアートは二次創作とどう違うのでしょうか。

これは単に呼び方が日本語か英語かという違いだけで、本質的には全く同じ事柄を指しています。

ファンアートとは英語圏での二次創作の総称

そもそも日本語での「二次創作」とは、英語の「ファンアート」を和訳した言葉であるとされています。

海外でもファンアートは盛んに行われており、ネット上へ投稿する場としては世界最大のアートコミュニティDeviantArtや、日本での利用者も多いTumblrが有名です。

「二次創作」との違いは?

二次創作には漫画、小説、イラスト、或いは動画作成をも含めた全てを対象とし、包括した意味があります。

対してFan art・ファンアートには、海外で使われている場合はイラスト作品のみを指し、二次創作の小説に対してはFan fiction・ファンフィクションと呼び分けられています。

「二次創作」ではない場合に使う事もある

ここまで、二次創作は「元々の作者が存在している物から派生して作られた作品」という前提でお話しています。

ただし、こうした前提ではなく、かといって描いた本人のオリジナルでもない作品が存在します。

それが「ナマモノ」「3次元」と呼称される、実在・かつ今現在活躍している有名人を描いた作品です。

有名人に関するファンアート

まず二次創作と同じように、有名人を描くファンアートも本来ならば違法です。

そして日本では、架空のキャラクターを対象としている二次創作よりも隠れて行われている、行われるべきだという風潮が存在しています。

実在の人物のイメージに関わる

実在の人物のファンアートは、本人の性質・嗜好を無視したものが描かれる事が多々あります。

描きたい本人の欲望が形になったものなので、特に過激な恋愛や映画のシーン等で性的な瞬間があった、役柄を演じていた等で描かれる事があります。

その為、本人や一般のファンがその有名人を名前で検索した時に、そうした過激なファンアートが目に触れるのを避けるべきだ、という風潮が日本では強めです。

しかし、昨今のSNSではその風潮が良かれ悪しかれ薄れつつあります。

健全なファンアートが受け入れられた例も

漫画家である阿東里枝先生がtwitter上に投稿した「芸人バトル漫画」は人気のお笑い芸人達をモデルに、各々の持ちネタを技名として戦い合う様をドラマティックに描いたファンアートです。

SNS上で好評を博し、twitterをやっている芸人さん本人にもRTされる等、状況として「本人に受け入れられた」と言えます。

海外では映画の出演俳優が演じるキャラクターの、やや性的なファンアートがTV番組で本人に披露される事もあるなど、ファンアートに対して日本よりオープンな傾向があります。

2019年に実写映画「シティハンター THE MOVIE 史上最香のミッション」が公開されました。

その作品について日本人が描いたクオリティの高いファンアートに、主演俳優であるフィリップ・ラショー氏の公式アカウントから直々に「Arigatou」と絵文字付きのリプライがついた事もありました。

過激な物と健全な物の線引きと配慮を

好きが高じて描かれるのがファンアートです。

しかし「あくまで借り物である」という意識が薄まり、オープンになりすぎるのは考え物です。

二次創作であるのか実在の人物であるのかという線引き、本人やファンが見たら傷つくかもしれないという線引きの元、適切な投稿を行っていきましょう。